2016年、第155回芥川賞受賞作品。
普段なら、「〇〇賞受賞作!」と、本屋に平積みされている作品は敬遠してしまうのですが、僕もコンビニ好きなんで、買って読むことにしました。
ちなみに、コンビニでバイトはしたことありません。
現在もコンビニでバイトをしているという著者のコンビニ愛が話題になっていますね。
コンビニで働く人の描写はリアルなんでしょう。
主人公もコンビニでバイトをしているのですが、そろそろいい年齢になり、周囲の目が厳しくなってきます。
でも、主人公はコンビニで働くことを通じてしか社会とのつながりを感じることができない。
そこが自分の居場所なんですね。
誰に何と言われようと、自分の居場所にいることを選択する。
この主人公には少し欠落している部分があるので、それを可能にしている部分もあるでしょう。
でも、そういう生き方っていいと思います。
僕のようにメンタル面に不安がある人間にとっては、羨ましくもあります。
現代の息苦しさを突き破るような快感が本書の魅力ではないでしょうか。
自分の居場所ってどこだろうって考えますよね。
何歳になっても、その年齢なりの居場所を探し続けていることもあるでしょう。
案外、今いる場所が自分の居場所かも知れませんよ。
今の自分の置かれている状況を、もう一度見つめなおしてみようと思います。
【おまけ】
著者がコンビニへの愛を綴ったラブレターが無料で読めます。