読書 ときどき 文房具

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向田理髪店 奥田英朗

奥田英朗さんの小説はほとんど読んでいます。

今年の4月に発売され、買ったままになっていた本作でしたが、ブログのネタにしようとやっと読むことができました。

奥田さんの小説は、フィクションではあるものの、非常に「リアル」な描写があり、ノンフィクションを読んでいるような気分にさせられることがあります。

その辺のさじ加減に、奥田さんの小説の面白さがあるのではないでしょうか。

 

今回は、かつては炭鉱で栄えた北海道の苫沢町が舞台です。

奥田さんの「地方」の描き方には、けっこう容赦ないところがあります。

「地方の町はこうなのだ」という箇所は、地方の人にはあまり気分がよくないかも知れません。

奥田さんの作品の「リアル」さに、面白さを感じているので、特にその印象が強い。

『噂の女』という小説でも、同じようなことを感じました。

 

そう思いながら読んでいると、苫沢町に映画ロケがやって来る「赤い雪」という話の中に、以下のような表現があります。

これは、完成した映画の試写会を観た後の主人公の感想です。

田舎の人間模様とムラ社会が。諧謔味たっぷりに描かれていて、容赦がない。(中略)町民の中には、田舎を馬鹿にされたと不愉快に思う人がいるかもしれない。

まさに、この小説がそうであり、確信犯なのかなとも思います。

アマゾンの商品紹介には「可笑しくて身にしみて心がほぐれる物語」とあり、そういう作品であることは間違いないのですが・・・

ちょっと「諧謔」が過ぎるなあという感じがしました。

 

そして、読み終えると、以下ののような「言い訳」が添えられていました。

これから読む人は、ご理解いただいて、読んでいただければと思います。

本文中、今日の社会情勢と異なる事実や表現、あるいは差別的と受け取られかねない表現がある場合もありますが、著者に差別的意図がないこと、および作品が書かれた時代的背景を考慮し、概ね発表時のままといたしました。読者の皆様にご理解いただきますようお願いいたします。