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てんてん哲学に出会う―怒りっぽいわたし、どうしたらいい? 森永豊/細川貂々

ツレがうつになりまして。』の細川貂々さんが、哲学の先生に会って、自分が怒りっぽい件について相談するという内容。

てんてんさんとモリナガさん対話形式で話は進みます。

てんてんさんの怒りエピソードを聞いた後、モリナガさんが哲学の考え方を次のように伝えます。

哲学というのはふつう、たとえ個人的な問題であっても、一般化して考えるという手法を取るんです。それから、議論の応酬によって核心を探し出すという手法に特化しています。

 

てんてんさんとの対話を通じて、モリナガさんは「他人との関わり方とそれによって輪郭づけられる自分のあり方、これらにまつわる不透明さが、怒りっぽさの裏側にある」と、てんてんさんの問題を定義します。

 アドラー心理学の「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」という言葉に通じるものを感じました。

 

ここでモリナガさんは、上手く考えるための小さなコツを3つ教えてくれます。

  1. 難しい問題をそのまま考えるのではなく、できるだけ細かく砕いて、簡単なところから考える。
  2. できるだけ核心をつく。
  3. 主題を忘れない。

そうやって対話を進めるうちに、てんてんさんは、自分の中に「マイナス思考クイーン」が住んでいることを話し出します。

「マイナス思考クイーン」は、ネガティブの塊みたいなてんてんさんの自己イメージを指す言葉のようです。

 

さらに話を進めていくと、てんてんさんは、自分の中に自分を励ましてくれる「天使さん」がいることに気づきます。

しかし、「マイナス思考クイーン」の声が大きく、「天使さん」の声はかぼそい存在です。

ここから、「天使さん」の声を大きくするためにどうすればよいかと、対話は続きます。

この辺りの考え方は「認知療法」の考え方に通じるものがありそうです。

その後、「天使さん」には名前がつけられ、その存在はてんてんさんの中で大きくなっていったようです。

 

モリナガさん役の森永豊さんが、「この本のどのあたりが哲学なのか」ということについて、「あとがき」で次のように書かれています。

あたり前であることにひとは時として違和感を感じることがあります。その違和感をキャッチして、正確な言葉にしてみます。あたり前を上手に疑ってみます。ある面では、ここに哲学らしさがあるのです。

 

心理学に興味を持つと、必ずと言っていいほど、哲学にも興味が向いていくものです。

しかし、哲学に踏み込むには、かなり勇気がいります。

哲学の名の入った簡単な本を読みつつ、心理学の理解も深めていく。

この本も、そんな感覚で読んだ1冊でした。

そして、『ツレうつ』の細川貂々さんの本ということが、本書を手に取った大きな要素でした。