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読書 ときどき 文房具

「メンタルヘルス」「心理学」「脳」「読み書きスキル向上」「Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)」「読書・仕事等に使える文房具」等々

バリアバリュー 障害を価値に変える 垣内俊哉

 この本の著者を知ったのは、「朝日新聞be」の記事でした。

プロフィールにも書いていますが、僕は精神疾患で通院・服薬中です。

また、僕には病気で障害者となった家族がいます。

自分のこと、家族のこともあり、障害者に関する情報には大いに関心があります。

 

この本の著者は「骨形成不全症」という生まれつきの病気です。

骨が脆くなる病気で、骨折を繰り返しながら、徐々に歩けなくなり、小学校高学年の頃には車いす生活になります。

「第1部で」では、そんな著者の学生生活や、起業・会社経営に至るまでの道のりが描かれています。

そんななか、バリアバリューという視点を身につけることになります。

 

バリアバリューとは、聞き慣れない言葉です。

本書では以下のような説明があります。

バリアとは、狭義では「障害」のことですが、この本ではもっと広く捉えて「弱点」「短所」「苦手なこと」だと思ってください。障害であろうが、弱点であろうが、人が生きていく上で「バリア」になっている点では同じでしょう。

そして、「バリアフリー」(障害を取り除く)ではなく、「バリアバリュー」(障害を価値に変える)というところがポインントです。

 決して、バリアフリー(障害を取り除く)が必要ないと言っている訳ではありません。

ここは、発想の転換をしてみましょうということですね。

 

 障害者の家族がいるものとしては、著者の生い立ちから学ぶことがたくさんありました。

しかし、「私のバリアだらけの人生を披露するのが目的ではありません」と著者も言っているので、ここでは触れないことにします。

あくまでも、バリアバリューの考え方を世に広めるのが目的ですからね。

 

バリアバリューの考え方自体は、そんなに新しいものではありません。

「短所は長所だ」「ピンチをチャンスに」と同じようなことです。

では、なぜバリアバリューにインパクトがあるのか。

やはり、著者が障害者であり、自分の「バリアをバリューに」変えてきたからでしょう。

先の引用で、障害に限らずということが書かれていますが、やはり障害者が自分のバリアをいかにバリューに変えるかという点が、他の考え方との大きな違いだと思います。

 

じゃあ、健常者は関係ないかというと、そうではありません。

まず考えなければいけないのは、ユニバーサルデザインの社会をつくることです。

これは、ハード面だけでなく、ソフト面も重要となります。

著者の会社では、そのための研修も行っているようです。

 

そして、バリアバリューという点からいえば、障害者と一緒になって、バリアをバリューに変える方法を考えることだと思います。

また、障害者の考えを形にすることが、健常者にしかできないケースも あるでしょう。

そう考えれば、健常者のやることもたくさんあるのではないでしょうか。

 

こういうテーマは、自分や身内が障害者でなければ、あまり関心を持てないかもしれません。

こういう本についても、「感動ポルノ」的に読んで終わりの人もいるでしょう。

でも、決して他人ごとではないはずです。

本書の中でも「情けは人の為ならず」という言葉が使われています。

本当にそうだと思います。

少しでも多くの人が、障害(バリア)を価値(バリュー)に変えることに関心を持ってくれればいいなと思います。